マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
この曲に対する認識の甘さから、楽団員の不信を買い、それを何とかしようと、失態を埋めたいが為の指示を出して、自分が見えなくなってしまった。


指揮者としての自分がまだまだなんだということを、改めて認識出来たと共に、これから指揮者としてやっていく事が出来るのかという、不安も抱える事になった。




『僕は指揮者としてやっていけるのでしょう
か?』




今更ながらの質問を先生に問う。




トランペットの最後の質問に、木管はもはや答えを応じない。

後に残ったのは、終始一貫して穏やかに流れる弦楽器だけだ。

聴衆にも僕にも、質問の答えをゆだねる形で曲は終わる。
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