マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「あっ!」

隣の席に座っている梁瀬さんが、すっとんきょうな声を上げた。
……嫌な予感がする…。

「コンタクトレンズ忘れた…。」

出た。始まった。

「コンタクトなんてしてたんですか?眼鏡掛
けてるのに。必要なんですか?」

イライラする気持ちを落ち着かせようと、努力
する。


「イヤ、その、指揮をしてると掛けてる眼鏡
段々とずり落ちてきちゃうんだ。で、本番の
時だけ眼鏡外して、コンタクトいれてたんだ
けれど…。」


気付いてなかったの?とでも言いたそうだ。

ほえー。知りませんでした。
興味ないから。


「ないと見えませんか?スコア頭に入ってま
すよね。」


「うん。それはいいんだけど、指示を出す時
に楽団員の顔見てやりたいし…。」

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