マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
もうほとんど、ふて腐れるようにしてその日は
寝た。
仕事の事でテンパっているのだろうし、こういう時の梁瀬さんの集中力は半端ないと思う。
仕方ない。
明日になれば、落ち着くだろう。


翌朝。
今は朝だからと、遠慮せずにどかどかドアを叩きつけるつもりで、勇んで隣の部屋の前に立っ
た。

あっ。

昨日は、よっぽど頭にきてたのだろう。
ドアチャイムの存在を忘れていた…。


取り敢えずノックをし、外から声を掛けてみる

「梁瀬さん。おはようございます。」


一応ドアチャイムにも指を掛けたが、あっさりとドアは開いた。
……なんだ。開いた。


「朝食摂るんだったら、そろそ…」

そこまで言った後に、悲鳴を上げた。
いかにも徹夜しましたって感じの、やつれた梁瀬さんがそこに立っていた。


「…もしかして、寝てないとか。」

訊くまでもないが、一応訊ねてみる。
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