マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「徹夜するつもりはなかったんだけど、気付
いたら…。そんな酷い顔してる?」

「何かあったんだなって思う程度には。」

思わない方が無理な位、酷いです。

「それより、朝食。もう8時過ぎてます。」

「えっ?もう?僕はいいよ。奏ちゃん一人で
大丈夫?」

はっ?一人でって、食べないの?
昨日の夕食も食べてないんじゃ…。

すると急いでいるからゴメンと、一方的にドアを閉められた。

ポカン。
そういう表現が、一番しっくりくる。


一食、二食抜いた所で別に何とも無いかも知れないが、梁瀬さんは公演を控えている。


指揮者は、1回の公演で体重が2,3キロ落ちる人もザラではないらしい。
それだけ体力、精神力の消耗は想像を絶すると
いう事だ。


梁瀬さんは日頃から、ジムに通うなどしてそれなりに体を鍛えることを気に掛けている。
それが、いざ本番で体調を崩したとなれば、不断の努力というものは一体何なのだ。
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