マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「…ナデ、カナデ?」(英)

はっと、現実に戻る。

「ボーッとしてたわね。」(英)

シモーヌさんが、クスクス笑った。

「ほら、もうじき休憩よ。コーヒー持ってく
んでしょ?」(英)

「ーありがとう。」(英)

今回の公演のソリストである、アナスタシアさんはとっくに居なくなっていた。

「典型的ステージママ、ね。」(英)

「え?」(英)

「さっきの。アナスタシア親子。」(英)

隣に一緒に居たのは、母親らしい。

「年を取ってからの一人っ子らしいし、成人
していてもあんな感じなのね。」(英)

「いまは、いくつ?」(英)

「20。」(英)

20かあ、やっぱ年下だった。

「去年グラーツ国際で優勝して、大手レーベ
ルと契約してから、注目される様になってき
たみたい。」(英)

…グラーツ国際、なんて。
私には夢のまた夢だ。
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