マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
ーー今は?

パチパチパチ。

曲が終わり、顔をあげてシモーヌさんの方を見ると、観客が増えていた。パトリックさんもいる。
…いつの間に?


昼のランチタイムが終わって、一段落した所だからかお店の人達全員の様だ。


わー!恥ず!
なら、もうちょっと堅い曲でも良かったじゃん
と、焦る私の心中とは逆に、お店の人達の拍手の勢いは衰えない。

みんな、笑顔なのだ。

うわ………。



そうなんだ。
やっぱりこれに尽きるんだ。
私のピアノを聴いて喜んでくれる人がいる事。


それがたまらなく、震える程に嬉しい。
しばらく人に聴いてもらう為のピアノなんて、
久しぶりだから、尚更だ。


私自身、その拍手の音をしばらく楽しんでいた
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