マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「良いタイミングでキャンセルあったみたい
でさ。聞いてみるもんだよね。」

嬉々としてマエストロは話し続けるが、もう私が一緒に行く事は、決定事項らしい。


一緒に食事をする様な女性は、事欠かない位いるんじゃなかったっけ?
シモーヌさん言ってたし。

あれ。私に告ってきたのは?
その辺はちゃんとしたのか。
マエストロは二股とか、そんな器用な人ではなさそうだしなあ。うーん。


どうしよう。……いいのかな。

私は、プレゼントと共にされた告白については
何の態度も示してない。

仕事をする上で気まずくなりそうだし、かといって付き合うだなんて、そんな事は考えられない。

以前の様に、オーケストラとの関係に悩んで凹みきっていたマエストロを思い出す。
……こわ。
またあんな事になったら、どうすれば良いんだか。


でも、1つ星かあ……。

結局、誘惑に負けて一緒に行くことになってしまった。


ま、大丈夫だろ。

マエストロも色々と年齢と経験を重ねてきた人だ。
うやむやな感じで、私が仕事を辞める時まで、引っ張っていけば心配ないだろう。

今まで通り。
フツーに。何事もなかったかの様に。


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