マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「あ、しょ、紹介します。こちら大学の同級
生で小山内……君。」(下の名前は例のごとく
忘れた。)

「へえ、凄い偶然だね。確か2ndヴァイオリ
ンのとこに居たよね。」

「はい!初めまして!うっわ。すげー嬉しい
です。ヨーロッパでの活動は注目してました
し、今回の公演も凄く楽しみにしてたんです
!」

小山内君はマエストロの手を取り、興奮気味に話し出した。
その目が私に向けられる。
そうだった。途中だった。

「で、私はマエストロのマネージャーをして
るの。」(もう辞めるけど。)

「わは。マエストロって呼んでんだ。」

「そうなんだよ。悠平って呼んでくれって言
ったら、代わりにそう呼ばれる様になっちゃ
って。カワイイ嫌がらせだよね。」

………ん?
自分の耳を疑う。
マエストロの台詞とは思えない。


「……でもなあ。マネージャー以上の存在だよ
ね。仕事の範疇を越えちゃってるとこあるか
ら。」

「……は……?」

何だか、思わせ振りな目線をこちらに送ってくる。
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