マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「あ、……っそ、そうなんですか…。」

リアクションに困る、小山内君。

すると天の助けか、リハーサルを始めるとのインスペさんの声が通路に響いた。


「それじゃあ、行こうか。奏ちゃん一人で寂
しいかもしれないけど、良い子で待っててね
。」

「…………………………あ、またな。大石。」

更にリアクションに困る、小山内君。

……あからさまな牽制球。


私の中では、もう無かった事にしてしまってたけど、マエストロには告白されたんだった。
(我ながら酷い。)

何だか、ケツの穴が小さいと言うか、余裕がないと言うか、必死すぎると言うか、めんどくさいと言うか、めんどくさい。

「あー。めんどくさい。」

思わず、声にまで出していた。


その後も私の身体に手を回してきたり、手を繋いできたりの行動に出てきた。
ささっとかわしておいたけど。

……オイ!

確かに告白こそされたけどさ、私何の返事も、
OKもしてないし!

空気読めよ!
必死なんですけど、こっちは!

改めて後悔する。
マエストロの心の機微に、うとくならずにいれば。


告白するチャンスなんて与えなかったのに。




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