マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
◇◇◇
確かに惚れっぽい方だと自覚はしているが、今回は最短記録だった。
「悠平くん。これが前に話してた姪の奏(かな
で)ずっとピアノやってて、音楽には詳しいか
ら。」
ストライク!
那須与一が放った矢のように、構えたキャッチャーミットど真ん中に、ボールが飛び込んできた。
外角低めでも、のけ反らせる様な高めのボール
玉でもなく、どストライク。
かわいい。可愛い。カワイイ…。
「大石 奏です。新人なので色々とご迷惑おか
けすると思いますが、宜しくお願いします」
もう既に大石社長が、にやにやとこっちを見ている。
ああもう。どんだけ分かりやすいんだ僕って…
落ち着け。
「初めまして。こちらこそお世話になると思
うけど、宜しくね。」
せいいっぱい、キリッ。