マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
緊張しているらしい彼女が、ぎこちなく笑う。
彼女を落ち着かせる目的半分、下心半分で、彼女の手を両手で取ってぶんぶん上下に振る。


「ホラ!宜しく!」


結果、益々表情が強ばる事に。
明らかにひいてます。なんじゃこの男、ってかんじ。


大石社長が、助け船を出してくれる。

「奏。今ので分かったと思うけど、悠平くん
大変だから。」

「えっ?そんなぁ。」

…助け船ではありませんでした。


「どう大変かはそのうち嫌というほど分かる
から。指揮者として今は経験を積まないとい
けないし、奏も支えてあげて。」

「は、…はいっ。」


支える…。じーん。
二人三脚、相棒、コンビ、一蓮托生、みたいなかんじ…。


大石社長が自分の仕事に戻った後、奏ちゃん(
さっそく下の名前で呼ぶ)が、新人らしき張り切りをみせる。
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