マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
そうだ!
以前定期公演のゲストで来ていた、ヴァイオリ
ニストの………。
名前は忘れてしまったが、シベリウスの協奏曲を演奏してた人だ。

げ!!

ーーその瞬間、突き刺す様なえぐられる様な痛みが走る。
心拍数はみるまに上昇し、顔色は恐らく真っ青だろう。


待って待って!


マエストロは付き合ってる女性は、いないって
シモーヌさんが………、あ!

違う!違った!

シモーヌさんは、さあ?知らないけど、みたいな事を言ってたんじゃ無かったっけ?!

心臓がバクバクし過ぎて、手に汗がにじむ。

ヤバイ!まずい!どうしよおおおお!

二人の後を追いかけるべく、走り出した。



こうしてNYの街中を、泣き叫ぶヴァイオリニストを追いかける燕尾服姿の指揮者と、またそれを追いかけるマネージャーの図か出来上がった………。
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