マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「2ndヴァイオリンの……、あの彼とか、中野
さんとか……?」

ただの同級生と会社の先輩かもしれないが、何の根拠もなく、思い浮かんでしまった。
二人と楽しそうに会話を交わしていた奏ちゃんを。

「ちょっ……!何で分かったんですか?」




………………………………ビンゴ…………………………。




「……そ、その時は何があったの?」

聞きたくないが、訊いてしまった自分がいた。

「……えー、小山内くんの時は、コンクール予
選落っこちちゃって、それなのに伴奏した小
山内くんは本選まで行って、3位になったし
周りの参加した友達の中で落っこちたの、私
だけで……。」

「……中野さんは?」

「…あーっと、会社の歓迎会で、だったかな。
経理の櫻井さんに、音大出身ならプロ目指さ
なかったのか、とか、伯父さんが社長なんだ
から、 コネでウチの会社入れて貰えなかった
のか、とか、 言われて……。」

「……そういう事、あったんだ……。」

へー。そうだったんだ。そりゃしんどかったねぇ、みたいな感じで笑いたかったけれど、顔はひきつる。

それで、むしゃくしゃして、それを紛らわそうと二人とえっちしちゃった、と……。

…………び。

カタカナ3文字、アルファベット5文字の言葉が口から漏れそうになる。
おそらく皆さんもそうでしょう。ええ。



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