マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
…何なの。どいつもこいつも。
ハイハイ。たいした仕事してませんよ、どうせ


指揮者の保護活動と散らかったスコアの整理が主な私の仕事ですよ!
コネ入社ですからね。所詮は!


「俺後から行くから、この先にあるコンビニ
で待っててよ。」


そう言い残すと、部長の席へと向かった。
笑顔こそ爽やかだったが、明らかに何かを孕んでいた。


なーんだ。見た目と違ってえらくチャラいんだ
いつもだったら断っている所だが、今はめちゃくちゃイラついている。


先輩上司のやっかみに、保護活動の必要な指揮者に、そんな仕事しかさせてもらえない事に、
そしてそんなプライドだけは一人前の自分に。


「…ホント、どいつもこいつも。」


気がつけば声に出してしまっていた。
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