マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「初めまして。今回呼んでいただいたユウヘ
イ、ヤナセです。」(仏)


ああ、という感じの表情で、その人物はこちらへと向かって来た。


「遠い所ようこそ。事務スタッフをしている
シモーヌ、レテよ。よろしく。」(仏)


「ぼ…っ、ぼんじゅー。あんしゃんて。
じゅ ま ぺーる かなで おおいし。
じゅ すぃ さ …、さ…、えーと…。」

これが奏ちゃんの限界だった様だ。

「彼女はマネージャー。」(仏)

「初めまして。」(仏)

シモーヌさんは笑顔で奏ちゃんと握手した。


奏ちゃんはカタカナフランス語を飛び越え、ひらがなフランス語で挨拶した。でも、このくらいベタベタな方が通じ易い事もある。


「やっぱり日本人ね。映像で見るより若く見
える。」(仏)


「よく言われます。音楽監督のフレール氏
は…。」(仏)



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