マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「折角だから、ホールの様子でも見学してい
ったら?」(仏)

「良いんですか?是非。」(仏)

そう言って、シモーヌさんが劇場内のホールを
案内してくれる事となった。

「…え?何処か移動するんですか?」


既に奏ちゃんはグロッキーになっていた。
理解しようとしても、会話についていけなかったせいだろう。


「ホール見せてくれるって。奏ちゃん、大丈
夫?」


「…イエ。もうお腹いっぱいというか…。
私の事は気にしないで、大丈夫ですんで…。」


コップの水は表面張力ギリギリの所まで来ている様だ…。


「場所を移転してから、まだそんなに経って
ないの。」(仏)


シモーヌさんは、ハイヒールの音をコツコツと
小気味良く響かせながら、説明してくれた。
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