マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
動揺している事を悟られない様に、何とか平常心を装ったがバレバレだったかもしれない。

…何なんだ今日のリハは。


午前中は気持ち良くて落ち着かないのをバレない様にして、午後は午後でパニクってるのをバレない様にして。


結局この曲は終始、始め方やテンポやテンポの変わり目の指揮の合図など、最低限の事だけしかできなかった。
指揮者がこの曲をちゃんと理解できてなかったのだから当然だ。


リハーサルが終わると、そのままホテルに直行し、カンヅメ状態となりスコアをもう一度最初から読み直した。


作曲者のアイヴスは、ハーモニー、調和の概念の枠を崩そうとしてきた人だ。


本を読んでいて、この流れならこういう展開になるだろうという風に、曲もハーモニーの流れが予測できる。


僕が戸惑ったのは、このハーモニーが、ここで出てくる意味、流れがわからなくなってしまったこと。

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