元通りになんてできない
俺は幸元の携帯を鳴らし続けた。
出てくれ。とにかく出てくれ。
ツーツーツー。
クソッ。いい加減にしろ…。何してる…。
少なくとも尋常じゃない着信履歴に気がついて、何か感じ取ってくれ。
メール入れるか…。
【鷹山が倒れた。△▼病院に居る。子供も鷹山も無事だ。安心しろ。
何してるか知らんが、早く来てやれ。高野】
ふぅ、…後はあいつ次第だ。
事情はよく解らんし、俺が口出しして拗れてもいけない。が、鷹山の話から察するに、幸元がヤキモチを妬いたんだろう、…多分。
俺の方が先に鷹山の妊娠を報告された事、それにだと思うが…。
あいつは今、鷹山に逆上せ切っているからな…。俺から何か言っても、余計聞かないだろう。
冷静に、大人になってくれれば何でもないくらいの事だが、余裕が無い時はそれが難しいんだろうな。
カツカツカツカツ…。
「部長!…」
「シーッ、…静かにしろ。
幸元…、お前…、ちょっとこっち来い」
病室の入口に立っていた。
「俺…薫さんは…」
「大丈夫だ、やっと今眠ったところだ…。ちょっと、…あっちで話そう」
ここで話していては煩くなってしまう。
「あの、俺、すみません…、子供っぽいヤキモチを妬いて、それで…」
「いいから。ここでは…、煩くなるから、あっち行くぞ」
憩いの場と書かれた場所に連れ立って行った。