元通りになんてできない

「バカヤロー、今まで…何してたんだ」

「すみません。俺、薫さんから妊娠してるって聞いて。嬉しくて嬉しくて、舞い上がっちゃって…、俺と薫さんの子供だって」

「……」

「嬉しくて、…そしたら部長にはもう話してあるって…。
なんで俺より部長なんだって思って…。
でも…、冷静に考えたら、…薫さんの言った事、思い出してよく考えたら、当たり前の事をしただけで、…前のご主人の事とか、ちゃんと話して無くて、苦しかったから…、今度は早く打ち明けたんだって…。そう言ったのに…。順番を気にして…。
それだけの事なのに、俺が一番じゃなかったと…、本当、ちっちゃいやつです、子供っぽいヤキモチを妬いて…。
俺が嬉しくて、はしゃいで薫さん持ち上げちゃって…」

「何ぃ?幸元。…お前…そんな事してまさか…」

「落としてないですよ?いくらなんでも、そんな事をしたら置き去りになんてしません。
俺…いきなり持ち上げちゃって、回しそうになって…、そこは叱られてすぐ降ろしたんですけど」

「っ。ふぅー、幸元…、それでもお前…」

「…はい、軽率でした。もしも、本当に落としたりしてたら、大変な事になってたかもしれません…」

「…。解ってるよな?まだ、不安定で危ない時期だって事くらいは。妊娠が解ったばっかりの初期だって事だ」
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