チョコレート×キャンディ
「なんだったんだろうね……」


私は振り返って、教室に戻ろうとする。


「千香ちゃん……?」


私が歩き出しても、話しかけても、千香ちゃんはいっこうに動こうとしない。


「……ハート…ズキュン、きた……」


「へ?」


千香ちゃんの近くにいって、腕を掴む。



キーンコーン



「あ、チャイム!」


私は千香ちゃんをそのまま引っ張って、教室に戻った。




教室には、先生はいなかった。

黒板に乱雑に<自習>と書いてある。

先生の字じゃないから、誰かが代わりに書いたんだろう。

朝の会はいつも先生がやってるから、何もすることない。

私は1時間目の授業の用意をして、買ったばかりのケータイ小説を読み始めた。


「っていうかさぁ!」


「ひぇ!?」


いきなり千香ちゃんが後ろを向いてきたから、びっくりして変な声出しちゃった……。



「な、何?」


「草太君達、どうしたんだろうね!?」


……たしかに気になる。



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