美人はツラいよ

「萱島さん、コレ、約束のものです。」


翌日。午後の三時ちょうど。
今日も爽やかさをきちんと纏った彼に、茶色い紙袋を差し出された時は、何のことやらさっぱり分からなかった。

それでも、反射的に手を出して、差し出された袋を受け取る。
それは、思ったよりもしっかりとした重みがあった。


何、これ?

彼に問いただすよりも前に、覗いた紙袋の隙間からスタバのクリスマスデザインの紙のカップが見えた。

「カフェモカとスコーンですよ。」

微笑みながら、彼は囁く。
その満足そうな顔から、今日の会議が上手く運んだのが分かる。
どうやら、これは昨日言っていた更なるお礼なのだろう。

「ありがとう。わざわざ買ってきてくれたの?」
「会議が長引いたので、さっきやっとお昼に出られて。帰り道に、寄ったんです。」
「お疲れさま。私がご褒美をもらえるってことは、上手くいったのね。」
「おかげさまで。ありがとうございました。」
「いいのよ、じゃあ、これはありがたく頂いておくわね。」

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