美人はツラいよ
「でもさ、松田君は千景ちゃんのこと狙ってるわけでしょ?」
隣で聞いていた涼子が、口を挟む。
私は即座に軽く右手を振って否定した。
「あんなの、冗談だって。ちょっとアラサー女をからかってやろうかなって、若い男の子の気まぐれでしょ。」
あの日以来、松田君は特に意味深な発言をしてこない。
ほとんどは爽やかな仕事モードの彼で、時々あどけない素顔モードが見られるくらいだ。
あの、獰猛な野生動物のような顔は、私をからかうためのオフザケだったとしか思えない。
なのに、目の前の友人二人は、そろってため息をついた。
「…千景ちゃん、それ、本気で言ってる?」
「天然もここまで来ると、微笑ましさの欠片もないわね。」
由紀恵はばっちりアイメイクの目をつり上がらせて、威勢良く話し始めた。
「千景、いい?いくら、仕事を手伝ってもらってるからって、毎回下心無く家まで送ったりしないし、食事にも誘ったりしないわ。」
「…そ、そういうもん?」
「しかも、目撃情報によると、食事もその辺のファーストフードとかラーメン屋とかじゃなくて、ムードたっぷりのダイニングバーとか小洒落たカフェとからしいじゃん。そんなの、あんたをオトそうとしてるに決まってるじゃないの!!」
「…いや、確かに最近の若い子はお洒落な店しか行かないのかなとは思ってたけど。まさか、あんなイケメンエリートが、わざわざ私みたいな年上のお局社員を本気で狙うわけないでしょ。」
隣で聞いていた涼子が、口を挟む。
私は即座に軽く右手を振って否定した。
「あんなの、冗談だって。ちょっとアラサー女をからかってやろうかなって、若い男の子の気まぐれでしょ。」
あの日以来、松田君は特に意味深な発言をしてこない。
ほとんどは爽やかな仕事モードの彼で、時々あどけない素顔モードが見られるくらいだ。
あの、獰猛な野生動物のような顔は、私をからかうためのオフザケだったとしか思えない。
なのに、目の前の友人二人は、そろってため息をついた。
「…千景ちゃん、それ、本気で言ってる?」
「天然もここまで来ると、微笑ましさの欠片もないわね。」
由紀恵はばっちりアイメイクの目をつり上がらせて、威勢良く話し始めた。
「千景、いい?いくら、仕事を手伝ってもらってるからって、毎回下心無く家まで送ったりしないし、食事にも誘ったりしないわ。」
「…そ、そういうもん?」
「しかも、目撃情報によると、食事もその辺のファーストフードとかラーメン屋とかじゃなくて、ムードたっぷりのダイニングバーとか小洒落たカフェとからしいじゃん。そんなの、あんたをオトそうとしてるに決まってるじゃないの!!」
「…いや、確かに最近の若い子はお洒落な店しか行かないのかなとは思ってたけど。まさか、あんなイケメンエリートが、わざわざ私みたいな年上のお局社員を本気で狙うわけないでしょ。」