エリート同期は意地悪がお好き

朱莉side

…素直に甘えると、司も、素直に私を甘やかしてくれる。

ご飯の用意をしてくれたので、今日は私が片づけを担当した。

先に司がお風呂に入って、その後に私がお風呂に入って。

私がお風呂から上がってくると、いつものように髪を乾かしてくれる。

…私は、どこかのお嬢様かしら?なんて思ったらおかしくて笑ってしまう。

「何笑ってんの?」

髪を乾かしながら、司が問いかける。

「ううん、幸せだなぁと思って」

そう言うと、司は微笑むと、私の頭をなでなでした。

「…終わった」
「ありがとう、でも、毎日髪、乾かしてくれなくてもいいよ?司も疲れてるんだから」

「…俺が乾かさなかったら、朱莉、突然髪切ったとか言って帰ってきそうだから」
「・・・」

そう言えば、前に、髪は切るなって言われたっけ。

「だから、お前の髪を乾かすのは、俺の仕事」
「…切らないよ」

「…切る」
「約束する」

「…いいんだよ。朱莉の髪、触るの好きだから」
「・・・もぅ」

「髪も、頬も、…このぷっくらした唇も、全部俺のモノだから」

そう言うと、私の唇を食べるように口づけた司。

そのキスは、数秒で、私を溺れさせてしまう。


「朱莉、・・・愛してる・・・」
「う、ん・・・私、も、司を、愛、して・・る」

今宵は、いつも以上に、司に愛されたような気がした。
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