エリート同期は意地悪がお好き

…次の日の朝。

私達は何時ものように、2人で出社した。

会社のロビーに入った途端、一人の男性が司に走り寄ってきた。

その男性の顔は、切羽詰まった顔。

「司様！」
「…ここで、その呼び方はやめてくださいと何度言ったらわかるんですか、清水さん？」

清水さんと言う男性らしい。…司様？なんで、そんな呼び方⁇

溜息混じりに呟いた司。私は黙ったまま、2人を見つめていた。

「…社長が倒れられて、今、一番近い大学病院に搬送されました！」
「なっ⁈なんでそんな事に？昨日会った時は、すごく元気そうだったのに」

…社長⁈…なんで社長は倒れたの？…ていうか、なんでその事を司に言うの？

「…会社に来て直ぐに、眩暈を起こしてそのまま。…とにかく、私が運転しますから、車にお乗りください」

「いや、でも、俺にも仕事が…親父になんかあったら直ぐに連絡してくれませんか？どうしても外せない仕事が一本入ってます。それが済み次第、病院に向かいますから」