エリート同期は意地悪がお好き
でも、やっぱり少しは悪いと思ったのか、準備から片付けまで、司が全部してくれた。

…そんなに大した火傷じゃないんだけど。

会社では、意地悪なくせに、家では優しくされるギャップに戸惑わずにはいられない。

片付けが終わり、お風呂に入る。

…今夜もまた、司は私の髪を乾かしてくれる。何度も断ってるんだけど、お前に拒否権はないとか言って…

うーん…

髪を乾かしてくれてる間に、寝る事を考えると憂鬱になる。

…また、あのベッドで、一緒に眠るんだろうか?

…やっぱり、その事も拒否権はないらしく。

司と同じベッドに潜り込む。

ただでさえドキドキしてるのに、急に手を掴まれて、口から心臓が飛び出るのかと思った。

「…離してよ」
「…火傷、ゴメンな」

「…いいよ。大した火傷じゃないし」

「…後残ったら、責任とるから」
「…は?」

「…おやすみ」

…寝ちゃったよ。

…責任とるからって、何よ、それ。
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