エリート同期は意地悪がお好き

司side

…目を覚ますと、横で寝てるはずの朱莉の姿がない。

…どうしようもない不安にかられる。

この家を出て行ったのか?

ここにいなきゃいけない理由は、朱莉にはない。

しばらく居候させてくれる友達くらいいるだろう。

…でも、それでも、朱莉が傍にいて欲しかった。

家に帰ると明かりが点いてて、ドアを開ければ、リクエスト通り、カレーのいい匂いがする。

静かに奥へ足を進めると、朱莉の楽しそうな鼻歌が聞こえてきた。

…その時ふと思った。

朱莉が毎日こうやって家にいてくれたら、どんなに幸せだろう…と。

ムクッとベッドから起き上がり、リビングに向かう。…と。

昨晩と同じように、朱莉の鼻歌が聞こえてきた。

「…ぁ、おはよ。朝ごはん、食べるでしょ?」

そう言ってニコッと笑った朱莉を、抱き締めたい衝動に駆られたが、グッと堪えた。
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