エリート同期は意地悪がお好き
嬉しくて、涙目で司を見上げる。

「…これ、一応婚約指輪だったりするんだけど」
「…え?…え〜⁈」

またしても驚かされる。

「まだ、仕事がバタバタしてるし、結婚はまだ先になりそうだけど、まずは、他のヤロー共から、朱莉を守れるように、これ、つけといて」

「…これって、プロポーズ?」

「…そうだけど?」

そうだけど?じゃなーい!なんで、そんなに呑気な顔していうかな?

「…私の返事も聞かないで、勝手に結婚することになってるよ?」

「…したくないの?」

「…っ!…し、したいに決まってんじゃない!」

そう言った途端、ポロリと涙が一粒落ちた。

嬉しいくせに意地張って…泣いてりゃ世話ないな。と、自分に突っ込みを入れる。

そんな私を見て、フッと笑った司は、私を抱き寄せた。

「…時が来たら必ず結婚しよう。幸せにするから」

「…うん」

そう言って、上を見上げた私。

司は優しく微笑んで、私にそっと口付けた。

…離れていても(そんなに離れてもいないけど)、私の事を一番に考えてくれる司が、本当に大好き。


…次の日、これほどの幸せが、いとも簡単に、崩れおちるとも知らず、私は司の愛に溺れた。
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