『短編』恋する街角
 


驚きのあまり言葉が出ないわたしに向かって、彼は続ける。


『この電車で、きみの事よく見掛けてたよ。「可愛い子だな」ってずっと思ってた。』


『え…?』


『あのショッピングモールで会った時も、「話すチャンスだ」と思った。』


『…わたしを、知っていた?』


『知ってたよ。』


『前から?』


『そう、前から。』


そして彼はわたしに手を差し出して言った。


『俺と、付き合ってください。』





< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop