『短編』恋する街角
驚きのあまり言葉が出ないわたしに向かって、彼は続ける。
『この電車で、きみの事よく見掛けてたよ。「可愛い子だな」ってずっと思ってた。』
『え…?』
『あのショッピングモールで会った時も、「話すチャンスだ」と思った。』
『…わたしを、知っていた?』
『知ってたよ。』
『前から?』
『そう、前から。』
そして彼はわたしに手を差し出して言った。
『俺と、付き合ってください。』
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