『短編』恋する街角
 

『…あほらし。俺、帰るわ。』


野口くんがカバンを持ち直して、次に来た電車に乗った。


わたしは慌てて立ち上がり、野口くんに言った。


『野口くん…ありがとう!』


野口くんは振り返り、わたしに笑って手を上げた。


そして彼に一言、


『泣かすなよ!』


そう言って彼を軽く睨むと、また笑顔になって、彼とわたしに手を振った。








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