それは危険なラブミッション
「あれ……」
テーブルの脇に身体を潜めながら、お店の入口を指差す。
その指を辿るように目を向けると――……
――み、岬さん!?
入って来た岬さんの姿に、ドッキンと鼓動が大きく跳ねた。
思わず椅子をガタンと鳴らして立ち上がると同時に、岬さんの視線がこちらへと向けられる。
「莉夏さん、やっぱりここだったんだね」
そう言ってにこやかに近づいて来た岬さんの顔色が、途端に曇った。
私と同じテーブルにいるルイに気付いたのだ。
咄嗟に何も言葉が思い浮かばない。
鼓動だけが経験したこともないほど高速で打ちつけた。
私の目の前で立ち止まった岬さん。
「あの、」
「ケープホテルの岬副社長じゃないか。こんなところで会うとは」
私の言葉を遮って、ルイが立ち上がる。
敬意を表すためか、ジャケットの乱れを整えた。