それは危険なラブミッション

大した嘘じゃないのに胸が痛むのは、今まさに岬さんに私がしている〝悪行“所以だ。


「隠しておくのはフェアじゃないと思うから、莉夏さんには言っておくけど」


そう前置きしてから、もう一度私を見る。


「近い将来、結婚することになっているんだ」

「そうなんですか」


初耳じゃないことに対する反応は、どうしても薄くなってしまう。
自分でも、演技が下手だと実感した瞬間だった。


「だから何? っていう表情だね」

「あ、いえ……」


岬さんは自嘲気味に笑った後、青信号に反応して車を発進させた。


「結婚とはいっても、親同士が勝手に決めたものなんだけどね」

「政略結婚ですか?」

「……よく分かったね」


岬さんが目を見開いてチラッと私を見た。

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