忘 恋
五章  幼稚園

翔は、幼稚園に入園した。

朝は、家政婦が連れていく。
なれるまで、泣いたらしいが
今は、楽しいらしい。

帰りは、姉が迎えに行ってくれてた。

姉の、心咲も結婚しているが
子供がいない。
旦那の健吾さんが、
大学の時に高熱をだし
子供は、望めなくなったらしい

健吾さんは
「だから、結婚しない。
心咲には、幸せになって欲しい。」
と言ったが

姉は、
「貴方がいて、子供でしょう!
自分が愛してるのは、
健吾なんだから、健吾がいるだけでいいの」
と、言って結婚した。

健吾さんは、警察庁勤務で、
忙しく、帰りも不規則だ。

だから、姉は、翔と一緒にいてくれる。
もちろん、義兄も快諾してくれた。
「心咲に、母親みたいな事
        させてほしい」
と、逆に言われた。

俺が早い時は、
俺が翔に飯を食わせる。
遅いときは、姉が食べさせて
くれてた。

この間、要が、
「お前ら、親子だな。」
と、言うから
「いまさら。」
と、言うと。
「いやさ、翔に
誰先生が好き?と聞いたら。」
「しずく先生だとさ。
同じ、しずくだな。」
と、言うから

「‥‥‥‥‥‥‥」
「大丈夫か?留衣
冗談だぞ、翔の先生名は、
冗談じゃないが。」

「ああ、わかっている。」

あいつは、親父さんと一緒の
教師になりたいと、言ってた。

高校じゃなくても。
幼稚園じゃないだろ。
と、俺は、思っていた。
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