忘 恋
病室に入ると
翔が、興奮していて
「ママ!!心結、可愛い‼
     すごく、可愛い。」
と、言われ、
私も嬉かった。
「翔、心結、可愛いかった?
良かった。ママ、うれしい。
可愛がってね、お兄ちゃん。」
「えっ、お兄ちゃん‥‥うふふっ、
うれしい、僕が、お兄ちゃんだ。」
と、一人で、照れていた。

翔は、帰らないと愚図ったが
留衣に、
「今日は、ママ疲れてるから
ゆっくりさせてやろう。」
と、言われて帰った。
留衣は、私にキスを落としてから
帰宅した。

芹香や要さんもきてくれた。
「芹香と要さんは、いつなの?」と、雫。
「えっ、なにが?」と、芹香。
「ごまかしきれてないよ。」と、雫。
「あ~もう、そうだよ、
要ちゃんと付き添ってます。」と、芹香。

要さんは、にこにこしていた。
「なんで、隠すかな?」と、雫。

「だって、恥ずかしい‼」と、芹香。
「要さんも、留衣に話した?」と、雫。

「まだ、留衣バタバタしてるからさ。」
「報告しといてね、私から言うと
いつ、要にあったのか、とか
うるさいから」

「あはは、焼きもちやきだからね。
了解、報告しとくよ。」と、要。
「で、いつ、結婚?」と、雫。
「なっ、まだだよ。」と、芹香。

「なんで、まだ?」と、雫。
「だって、まだプロポーズされてない。」
と、芹香が言うから

要をにらみつけると‥‥‥
「綺麗な顔して、睨まないで
雫ちゃん、怖いから。」
「意味わかんない。」

「いま、いつするか、
    悩んでるんだよ。」と、要。
「早くしなさい。じゃ今して?」と、雫。
「えっ、今?」と、要。

「嫌なの?要さん、本当に芹香が
好きなの?芹香、もてるんだよ。
じゃ、純に進めようかな?」

「ダメ!絶対にダメ。
芹香は、俺が好きだよね。
俺だけだよね。
芹香は、誰にも渡さない。」
と、焦って言うから

私は、大笑い‥‥
芹香は、真っ赤になっていた。

「嘘だよ。要さん、頼みますね
芹香は、私の大切な親友だから、
幸せになって欲しいから。」
と、言うと

「うん、必ず。」と要さん。
芹香は、涙をためていて
「ばか、雫。」と、言ってた。
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