焦れ甘な恋が始まりました
言葉と同時、グイッ、と引かれた腕。
素早く湯呑みをテーブルに置いた社長の手が後頭部に廻されて、社長のシトラスの香りを強く感じた瞬間――――息吐く間もなく、唇と唇が重なった。
「……んっ、」
口端から溢れる吐息。
それは一体、どちらのものなのかはわからなかったけれど……
いつの間にか私たちは、甘い甘いキスに溺れて、何度も角度を変えては互いの熱を食べ合った。
「っ、」
そうして、名残を惜しむように唇が離されたと思ったら。
今度は至近距離で社長の綺麗な顔を見つめる形になって、たった今の情事を思い出し、必然的に熱くなる頬。
い、今……。
わ、私、確か茶柱を見て、それで……
か、考える人をしていたはずの下條さんを見て不思議に思っている内に流されて……ってアレ……?
ええと、だって、そんな、急に……
「……早速、イイコト、あっただろ?」
「っ、」
「杏の、そんな顔……ずっと、見たいと思って我慢してたって言ったら、怒る……?」