好きの代わりにサヨナラを《完》
「本気になるから辛いんじゃない……?」

恭平は身をかがめて、床に落ちたネックレスを拾い上げる。

手のひらの上のネックレスをしばらく眺めてから、恭平はそれをポケットにしまい込んだ。



「最初から全部遊びにすればいいじゃん。俺ならもっと上手くやるよ」

恭平は床に膝をついて、ピアノの前に座るあたしと目の高さを合わせる。



「からかうのもいい加減にして!」

あたしは鍵盤の蓋を閉めて、ガタンと立ち上がった。
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