好きの代わりにサヨナラを《完》
「からかうって人聞き悪いね……最近のあんた、辛そうで見てられない」

あたしを見る恭平は、少し悲しそうな目をしていた。



「たまには男に甘えてみたら……?」

恭平はゆっくり立ち上がり、あたしの髪に彼の長い指を絡ませる。



「あたしは……恭平とは違う」

そう叫んで、あたしは音楽室を飛び出した。
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