♡放課後みすてりあすいーつ!♡
彼は舌打ちして、そっぽを向く。
「ねぇ、よーた。前に言ったでしょ。あたしちゃんは天才だから、他人の画力なんて頼らなくても何だって生み出せるよ」
この空気に似合わない軽快な声で、楽しそうに越水部長が語り出した。
「ちょっと見てなよ!!」
そう言って万年筆を取り出すと、狂ったように、けど楽しそうに生き生きと壁に絵を描き始めた。
ガッ、ガッ、と全身を使い、大きな壁画がみるみるうちに出来上がっていく。
アタリも何もせず、一発描きであっという間に出来た絵は、雄々しく剣を振るう騎士の姿。
ペンを振り回すように絵を描く越水部長によく似てる。
……物怖じせずにここまで出来る人が、ズルをするようにはとても思えない。
美術部員も皆みとれてる。
「嘘だと思ったら鑑定士とかにでも頼んで比べてみてよ、使ってる絵の具のメーカーも、画用紙も、絵柄も、タッチも、全部あたしちゃんと違う。あんたのだから」
描き終わってチャキっと白衣の胸ポケットに万年筆を戻すと、勝気な笑顔を津山先輩に向けた。
「あたしちゃんを超えたいなら、もっと努力しとけ?素質あんのに、そーいうことしちゃもったいねーぞ!」