Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
まるでデビューしたての、まだ無名だった頃。
Soul Loversとして初めてステージで歌った日のように。
純粋に、幸せだと感じた。
「今夜は帰さねーぞ」
ご機嫌なマッシーさんは、俺の肩に腕を回して強引にカウンター席に座らせる。
「オールは無理ですって!」
そう言いながらも、グラスになみなみと注がれたビールを飲み干す。
「お?いい飲みっぷりだな」
マッシーさんがにやりと笑った。
「朝までは付き合いませんからね」
念を押すと、分かってるのか、いないのか。マッシーさんは俺の前に新しいビールを置いた。