七色の明日
え?
「香織?聞いてる?私、佐伯くんのことが好きになっちゃったんだよ」
「だめ!」
私は気づいたら、そう、叫んでいた。
それまで話していた、クラスメイトも一斉に私の方を見る。
そんなことは気にせず私は続ける。
「それだけは、だめ。絶対にだめなの」
「なんで?」
だって、美玲が柊のこと好きなんだもん。
何て言えるわけもなく、
「……と、とにかく柊だけはだめだからね。
絶対だよ」
そう、私は念を押しておいた。