14年目の永遠の誓い
「……ありがとう」
「んー。お礼も良いよ。恥ずかしいしっ!」
田尻さんのほっぺたがほんのり色づき、思わず笑うと、テーブルの上に置いてあった新聞でポカンと頭を叩かれた。
驚いて目を丸くすると、
「あっ! ごめん! 竜にいつもやってるからっ!」
と慌てて謝る田尻さん。
「あ、ううん、大丈夫。竜くんて、弟さん?」
「そうそう。ホント、すぐ人のことからかってくるし、いたずらするし、とんでもないヤンチャ坊主だよ」
そう言いながらも、田尻さんの口調は本気で嫌がってはいなくて、きっと仲は良いんだろうなと思わされる。
まだお家にお邪魔して、ほんの十分くらいなのに、新しい田尻さんがどんどん見えてくる。
「……ってか、本題行こう、本題っ!!」
田尻さんが照れ隠しのようにしかめっ面をして、居住まいを正した。
「はいっ、牧村さん、何に悩んでるのか、話してみて」
唐突すぎる話の振りに、また笑いたかったけど、心にのしかかったその話を思い出すと、素直に笑えなかった。
何から話せば良いのか、まるで思いつかない。
どんな順番で話せばいいのかも、自分の事なのに、わたし自身、何に悩んでいるのかもよく分からない。
悩んていると、
「はい、何でも良いから、思いついた言葉から話してっ!」
と威勢よく言われ、思わず、言葉を選ぶことなく直球で答えてしまった。
「あの、カナからプロポーズされて」
その言葉を聞いた次の瞬間、田尻さんが固まった。