14年目の永遠の誓い
庭に飛び出すと塀の手前にコッソリ置いてある梯子を立てて、ハルんちとオレんちの間の塀を乗り越える。
公道に面している塀には密かに張り巡らせてある有刺鉄線が、ハルんちとの境の塀にはない。
普段はちゃんと一度道路に出て、門にあるインターホンを押す。
けど、今日は非常事態だ。
遠回りなんて時間がもったいなくて、とてもできない。
2メートル近くある塀の上から、軽々と飛び降り、オレはハルの家へと走った。
そして、玄関に付けられたインターホンを押す。
ハルの家は、じいちゃんちと同じ敷地内にあるため、門の他にも玄関横にインターホンがある。
……ハル。
スマホ越しに聞いた、ハルの弱々しい声が気になってしょうがない。
「ハル、着いたよ。大丈夫!?」
つながったままのスマホに話しかける。
もし、ドアが開けられないようなら、このまま、じいちゃんちに走って行く予定。
スマホからも、インターホンからも、何の声も聞こえないまま、数秒待つと、
ウィーン、ガチャン
と小さな音がして、電子錠が開けられた。
「ハルッ!!」
分厚いドアを開けて、オレは中に飛び込んだ。
薄暗い玄関、目を凝らしてハルを探すと、ハルは玄関先、開錠ボタンの下にしゃがみ込んでいた。
「大丈夫!?」
「……カ…ナ。ごめ……」
「気にすんな。オレ、こんな時間は普通に起きてるから」
オレは、ハルの隣にしゃがみ込み、ハルの顔色をうかがう。
だけど薄暗くて、よく分からない。
けど、こんなところにしゃがみ込み、立つこともできないハル。
顔色を見るまでなく、明らかに体調が悪そうだった。