幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「神楽君と神楽さんじゃ分かりづらいものね」


沙希は妙に色っぽい流し目をして言う。


うっかり見とれてしまいそうになったけど、いや、それより変な事言わない様に訴えないと。

まだ付き合ったばかりなのに結婚なんて早すぎるもの!


だけど大樹は私が口を開くより早く言った。


「それもそうか」


え……納得しちゃうの?


「花乃ちゃん、諦めて結婚してやったら?」


井口君がからかう様に言う。


「まさか花乃が一番に結婚するなんてね」

沙希が感慨深気に言い、最後に美野里が教えてくれた。


「神楽君ね、冬休み本当は出勤予定だったんだけど、休んで花乃と過ごすためにこの一週間早出残業で必死に頑張ったんだって」

「え……そうなの?」


だからずっと忙しそうにしていたの?

大樹は私を見つめて、クラッとする様な甘い甘い笑みで言った。


「もう離さないから覚悟して?」

「か、覚悟って……」


カアッと顔が熱くなる。

もう見られない程真っ赤かも。


でも……今すごく幸せ。
だからもう隠さない。
そう思わせてくれたのは大樹だよ。


だから大樹も覚悟していてね。私も絶対離してあげないから。


心の中で呟いて、テーブルの下で大樹の手をそっと握った。


Fin

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