幼なじみの罪ほろぼしと恋心

10月16日。
金曜日。


今日は待ちに待った須藤さんとの飲み会の日。


朝が苦手な私もこの日ばかりはアラーム無しで目が覚めた。


何と朝の6時前。
ブラウンの遮光カーテンを開き、ゆっくりと朝の光を浴びる。

それからシャワーを浴びて、普段の三倍の時間をかけてメイクをして、この日の為に買ったライトグレーのワンピースに着替えをする。

襟元のビジューが華やかで可愛くて、それでいて子供っぽくなり過ぎないお気に入りのものだ。

白いストールを羽織りバッグを持ち、玄関の姿見の前でしっかりと最終チェックをした私は意気揚々と家を出た。



門を出るとつい習慣でキョロキョロしてしまう。


……よし。今日も大樹はいないみたい。


今週になってから朝に大樹と会わなくなった。


出張にでも行ってるのかと思ってたけど、もう五日目になるし、やっぱり少し早い電車で行く事にしたのかな。


朝からやたらと話しかけられて面倒だったから居なくなるのはいいんだけど、時間を変えるって一言言ってくれたっていいのにな。


何も言ってくれないと、玄関を開ける時、今日はいるかなとか気になってしまう。

……本当に大樹には振り回されてばかりで嫌になる。
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