幼なじみの罪ほろぼしと恋心
駅のホームに着き2分程待ってからやって来た電車に乗り込む。


次の駅に着くと、いつもの様に乗り換えの乗客が一気に押し寄せて来る。


「……いたっ!」


人の波の勢いに押されてドアの方に押しやられる。

何て圧力!
後ろのサラリーマンの鞄がわき腹に当たって凄く痛い。

そんな固い鞄持ってるんだから少しは周りの人に気を使えばいいのに。


朝のラッシュの電車はいつもよりノロノロと進み時間がかかる。

その間もギュウギュウと押され、せっかくふんわりとセットした髪がボロボロになりそうだった。


ああ苦痛……先週大樹と一緒に乗ってた時は全然楽だったのに。


いつも私の後ろに立っていたけど、ぶんぶん振り回していた結構固そうなビジネスバッグが私の身体に当たって痛くなる事なんてなかったし。


電車に関しては大樹が居なくなったのはちょっと惜しいのかも。


そんな事を考えながら、更にきつくなって行くラッシュに耐え30分、大手町の駅に到着した。

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