恋の魔法と甘い罠~おまけSS
とりあえず玲夢が言うように着替えてしまおうと寝室に入った。


そしてまた戻ると、既にダイニングテーブルに食事が並べられていて。



「美味そう」



自然と頬が緩む。


──けれど。


玲夢はいまだに表情が晴れていない。



いつものように向かい合って座り、手を合わせながら「いただきます」と言ってから、料理に箸を伸ばす。


つもりだったけれど、わずかに顔を伏せている玲夢は今にも泣き出しそうな表情に変わっていて。



「玲夢?」



手に取ったばかりの箸をぱちんっとテーブルに置きながら立ち上がった。
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