恋の魔法と甘い罠~おまけSS
そしてふと思い立って指から指輪を抜いた。


……やっぱり。



「あの、晴希さん」


「ん?」


「誕生日を知らなかったのに、何でこれ……」


「……」


「前から準備していてくれたんですよね?」



指輪の内側には、


『From H to R』


と彫られていた。


購入した当日にそんなことをしてもらえるわけがない。


じっと晴希さんを見つめていると、晴希さんは小さく息を吐いた。



「ほんとはさ、二週間後のクリスマスに渡す予定だったんだ」


「え」


「12月に入ると仕事も忙しくなるし、先月のうちに注文しておいたんだ」


「……」


「玲夢の誕生日が今日だなんて知らないしさ。教えてもらったところで、会社帰りにプレゼントを買う時間もなかったし」



晴希さんは眉を寄せながらそう言ったけれど、教えてなかったんだから知らなくて当然なのに。
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