予感
しかし、一口サイズの飴と違って、こりゃかなりの存在感だな。


一度じゃ食べ切れないな。


毎日少しづつ食べようっと。


あ、でも、アリがたかっちゃうかな。


あれこれ考えながらペロペロしていると、ふと、横から強い視線を感じた。


そちらを見ると、慧人がキャンディーちゃんとオレの顔をまじまじと凝視している。


「…食いたいの?」

「え?」


一瞬キョトンとしたあと、彼は慌てて言葉を吐き出した。


「い、いや、いりませんよっ。そんなガキっぽいのっ」


……ガキって言ったな。


やだね~、カッコつけちゃって。


だったらあげないよ。


後で泣きついてきても遅いからな。


するとそこで部屋のドアがそっと開いた。


「あ、おはよう!愛実ちゃん!」

「おはようございます」


ドアを閉め、自分のデスクに近付きながら彼女が挨拶を返す。


「あ。颯さん、何ですか?それ」

「ペロペロキャンディー」


ちょっと驚いたように目を見張り、問い掛けて来た愛実ちゃんに、オレは真実をそのまま報告した。


「母ちゃんにもらったの」

「そうですか」


椅子に腰掛けながら、愛実ちゃんが楽しそうに言葉を繋いだ。


「すごく可愛いですね~。食べ物というより、何だかおもちゃみたいです」


んふふ、やっぱりね。


言うと思った。


愛実ちゃんとオレのセンスって似てるから。
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