予感
「何の味ですか?」

「えーとね…」


すごくフルーティな風味がするんだよね。


多分メロン系は間違いなく入ってると思うんだけど…。


あとはレモン?


イチゴも仲間入り?


「んーと」


オレは一生懸命考えた。


「…砂糖味…?」


その返答に、さすがの愛実ちゃんも言葉を失った。


ちょっと困ったように笑っている。


ゴメン。


オレ、天才グルメレポーターじゃないから、宝石箱がなんたらかんたらは言えないや。


「あ、何だったら試しに舐めてみる?」

「え?」

「オレこっち側しか舐めてないから、反対側は大丈夫だよ」


百聞はひと舐めにしかず。


「別に減るもんじゃないしね」


あ、いや、間違えた。


物理的には減るけど、愛実ちゃんが喜んでくれるなら、全然マイナスじゃないから。


「はい、どうぞどうぞ!」

「え?あ、あの…」


立ち上がり、愛実ちゃんにキャンディーを渡そうとしたその瞬間、伸ばした右手にすごい圧力を感じた。


『え?』と思っている間にキャンディーちゃんが宙を飛び、カコン、と音を立てて床に落ちる。


あ…。


割れちゃった…。


何が起きたのか把握できたのはその数秒後だった。


慧人が俺と愛実ちゃんの間に割って入り、オレの手からキャンディーを奪い取ったのだ。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop