腹黒王子に秘密を握られました
「僕のおもちゃ見る?」
「見てもいいの?」
自慢げにおもちゃ箱を中を見せてくれる拓斗くんに、慌てて視線を戻す。
きっと宝物なんだろう。
綺麗に並んだミニカーやロボに、思わず笑顔になった。
子供部屋は、宝箱で秘密基地でどこよりも居心地のいい自分だけのお城だ。
小さな机の前に、前に私が事務所で描いてあげた絵が貼ってあるのが見えた。
ちゃんと大切にしてくれてたんだ。
折り目のシワを綺麗にのばし、セロテープで壁に貼られた絵。
少し斜めになっているのが、また可愛らしくてきゅんとする。
「これ、お姉さんが描いた絵、貼ってくれてるんだね」
「うん、ぼくの宝物なんだ」
えへへ、と照れ笑いしながら手にお気に入りのロボットを持って空を飛ぶしぐさをする拓斗くんが可愛すぎて心の中で悶える。
「すごいね、合体ロボかっこいい」
「でしょー。いっぱいあるんだ。欲しいのあったらお姉さんにあげるよ」
「え? 大事なおもちゃなのに?」
「うん、もうすぐお引越しするから、ぼくのおもちゃも捨てなきゃいけないんだ。次のおうちに全部持っていくのは大変だから」
「……っ」
しょんぼりと肩を落とした拓斗くんに、言葉につまる。