腹黒王子に秘密を握られました
 
「相楽さん……」

「これみよがしに、昨日と同じ服を着て出社されるとむかつく」

「いや、これは……」

「昨日のあのやけくそテンションのまま金子さんに突撃して告白大成功で朝帰りってこと?」

「ええと……」

まったくもってその通りで、恥ずかしくて思わずうつむく。
すると相楽さんは突然大声で私の名前を呼んだ。

「友野莉央!」

「はい!」

条件反射で顔を上げると、びしっと目の前に指を突き出される。

ぎょっとして目を丸くした。
人のことを指さしちゃいけませんって、お母さんから習わなかったのか。

「今日、ランチおごって。強制だから。いい?」

「あ、……はい」

有無を言わさぬ勢いに、素直にうなずく。
それを隣で見ていた柴崎くんが、

「女子の修羅場、こえー」

と面白がるようにのんきに笑った。



 


 
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